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誰でも加齢とともに髪の毛が薄くなります。
しかし、全身的な病気や精神的ストレスが原因でおこる抜け毛は正しいケアが必要になります。 |
■はじめに・・・ |
頭髪の数はおよそ10万本で、1日に0.2-0.4mm、1ヵ月で約1cm伸びます。普通の人でも1日約80-100本の毛が抜けます。1本の髪の毛の寿命は約5年で自然に抜けますが、同じ毛穴の皮膚の下では次の髪の準備も進んでいます。
脱毛の予防は髪の毛の手入れ以上に、その基礎となる頭皮を考え、いたわることが肝心なのです。 |
脱毛症には壮年期脱毛症、円形脱毛症、フケハゲ(粃糟(ひこう)性脱毛)、炎症性脱毛、抗がん剤などの副作用による脱毛などの種類があります。
早い人では20歳代からはじまります。日ごろから頭皮を清潔に保ち、血行をよくして、脱毛の原因とされる毛母細胞を活性化させることが大切です。 |
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頭頂部が
薄くなるタイプ |
額の生え際が
薄くなるタイプ
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10円玉くらいの
大きさで毛が抜ける |
壮年性脱毛 |
円形脱毛 |
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■ご家族の方に |
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子供の脱毛の場合は自分で自分の髪を抜く異常な癖によることがあり、大人の尺度でははかれない精神的なストレスが原因になっていることがあります。場合によっては精神科などの心理学の専門医に相談する必要があります。
円形脱毛症の原因は遺伝や自己免疫、内分泌の異常などの他に、精神的なストレスなどによっても起こりますので、保護者や周りの人の注意深い観察が必要です。 |
脱毛について、あなたはどれだけご存知ですか?
ご家族で一緒になってチャレンジしてみてください。(解答はページの最下部をご覧下さい)
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髪の毛は成長期、退行期、休止期からなる毛同期を繰り返し、休止期に抜け毛がおこります。1日約100本程度の抜け毛は生理的な範囲内であり、異常ではありません。
脱毛といわれるのは、抜け毛が生理的な範囲を超えた場合をいいます。毛の数は減らないのですが、あるときから太く長い毛が再生せずに、細く短い毛(軟毛)に置きかわるため、結果的に頭髪量が減少する場合もあります。男性型脱毛、高齢者での壮年性脱毛などはこのタイプです。 |
脱毛の原因はさまざまですが、主に(1)皮膚の炎症、(2)感染、(3)遺伝的要因、(4)腫瘍、(5)栄養障害や代謝障害、(6)内分泌異常、(7)薬物、(8)物理的あるいは化学的要因、(9)精神的ストレスなどがあげられます。原因がはっきり分からない場合もあります。 |
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●日常生活の注意
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■シャンプーはていねいに |
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汗やほこり、整髪剤などの影響で毛孔に皮脂がたまると、フケの原因になるばかりか、毛孔をふさいで髪の毛の成長を止めてしまうこともあります。しっかりシャンプーして、頭皮を常に清潔に保つことが大切です。 |
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■マッサージの方法 |
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頭皮のマッサージ法はいろいろありますが、自分にあった方法を継続し、頭皮の血行循環を良くしましょう。
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額の生え際あたりを前後左右に20回くらいマッサージします。 |
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額から後頭部にかけて指先を頭皮に押しあててまわしながら前から後ろへ移動させる。
爪は立てないようにします。 |
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側頭部から頭頂部へ向かってなで上げるようにマッサージします。 |
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頭全体を10本の指を使ってリズミカルにトントンとたたきます。 |
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■ブラッシング |
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主に頭皮の血行を促進することによる育毛を目的として行います。器具などを用いて過度に行うと、頭皮を傷めるおそれがありますので注意しましょう。
また、ブラッシングもあまり頻繁に行うと毛髪を傷つけるので、1日20〜30回程度がよいとされています。 |
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■ドライヤーと自然乾燥 |
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ドライヤーを使う場合はシャンプー後、タオルでよく水分を拭き取り、ヘアークリームなどで髪を保護し、まんべんなく温風をふきかけて短時間で乾燥させます。
自然乾燥は必ずしも髪にやさしいとはかぎりません。髪に水分を含んだまま寝ると、枕などで摩擦にあい、キューティクルが剥がれ落ちる原因になります。また頭皮に雑菌が繁殖しやすくなりますので注意が必要です。 |
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■生活習慣の見直しを |
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<喫煙> |
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たばこに含まれるニコチンは自律神経を刺激して血管を収縮させ、頭皮の血行を悪くするので、髪にはよくありません。体に悪いことは髪にも悪いということを覚えておきましょう。
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<ストレス> |
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ストレスが直接、薄毛の原因になるわけではありませんが、ストレスなどで緊張すると筋肉が収縮して血管が細くなり毛根部に栄養分が十分運ばれなくなり、毛髪が育たなくなるという説もあります。いずれにせよ、ストレスはためず十分な睡眠をとることが大切です。
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<飲酒> |
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飲酒が髪に悪影響を及ぼすというわけではありませんが、深酒で体の機能が低下すれば、当然髪も元気がなくなります。また、お酒を飲むと食事の質がおろそかになったり、酔って帰って髪も洗わずそのまま寝てしまい、昼間の整髪剤やホコリを頭皮に残したままということにもなるので要注意です。 |
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●食生活の注意
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■ビタミンで髪の健康を保つ |
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動物性脂肪の多い食事は、皮脂腺の肥大化を招き、脱毛の原因になります。
動物性脂肪・高カロリーの食事ばかりにならないよう注意しましょう。
大豆製品、キノコ類、海藻類は髪によい食品といわれています。 |
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こんなときは、すぐに病院で検査を! |
まず、生理的脱毛か、病的脱毛かが問題になります。1日の抜け毛が100本以内で、髪も薄くなってこなければ生理的脱毛の範囲内です。これを超える抜け毛やすべての毛が抜け落ちてしまったり、急激な脱毛、なかなか治らない円形脱毛症などは病的な脱毛である場合が多いため、医療機関を受診しましょう。
毛髪は全身状態を反映しますから、脱毛から全身的な病気が発見されることもあります。 |
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知って得する豆知識 |
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正しいシャンプー・リンスの使い方 |
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シャンプーは季節や汚れやすい環境、フケが多い体質など状況に応じて1〜3日に1回行いましょう。1日2回シャンプーするのはかえって髪を傷めてしまいます。
まず、フケやほこりなどを軽く洗い流してから、2度目はシャンプー剤を髪全体にいきわたらせて、頭皮もマッサージするように指の腹で泡立てながらまんべんなく洗います。髪同士でもみ洗いするのは毛髪を傷めるのでやめましょう。
シャンプーした後は、リンス剤を手で毛髪全体にいきわたらせるようにつけ、なじませた後、よくすすぎます。髪にシャンプーやリンス剤が残ると刺激になるので、十分洗い流しましょう。
フケが多い人には、ジンクピリチオンや抗真菌成分入りのシャンプーもありますので、状態に応じて選びましょう。 |
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育毛剤の主な成分と特徴 |
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育毛剤は育毛や抜け毛が減ったり、毛が濃くなったりすることが期待されますが、使用しても必ずしも100%効果が現れるものではありません。主な成分と特徴は下表をご参照ください。 |
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主な成分 |
特 徴 |
塩化カルプロニウムなど |
血管拡張薬などで、頭皮の血管を広げ血流を改善し、発毛を促進 |
女性ホルモン成分 |
女性ホルモンを補って、髪の毛の発育を促進する |
副腎皮質ホルモン剤配合 |
頭皮の炎症などを抑える |
ミノキジジル |
毛の根元を包む組織である毛皮に直接作用して、発毛を促進する |
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■セルフメディケーション
クイズ 解答 |
Q1:NO Q2:NO Q3:YES Q4:NO Q5:NO Q6:YES Q7:NO Q8:YES Q9:YES Q10:NO |
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