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貧血の大半は鉄分不足が原因であり、近年は若い女性に増えています。
無理なダイエットや偏食を避けるなど食生活の見直しが大切です。 |
■はじめに・・・ |
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貧血は、全身に酸素を運ぶ赤血球が何らかの原因で減ったことによる体の酸欠状態をいいます。貧血にはいろいろな種類がありますが、若い女性を中心にもっとも多くみられるのが“鉄欠乏性貧血”です。成人女性の約10%は鉄欠乏性貧血といわれています。ここでは鉄欠乏性貧血について紹介します。 |
■ご家族の方に |
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鉄欠乏性貧血は偏った食生活の積み重ねで生じるときが多くあります。
無理なダイエットや間食もその原因となります。規則正しいバランスの取れた食生活をすれば貧血は予防・改善できるのです。成長期や思春期のお子様がいるご家庭は、特に注意してください。 |
貧血について、あなたはどれだけご存知ですか?
ご家族で一緒になってチャレンジしてみてください。(解答はページの最下部をご覧下さい)
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鉄欠乏性貧血は鉄分の不足で起こる貧血で、血液中の赤血球が小さくなります。 |
■鉄分補給の目安 |
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鉄分の65%は血液中の赤血球中にあり、1日に約1mgが汗や尿、便などから失われます。男性は1日に1mg補えば十分ですが、女性は月経で鉄分を失うため1日に1〜2mgの鉄分が必要です。女性が鉄分不足になりやすいのはこのためです。また成長期の子供は1.1mg、思春期女性は1.6〜2.6mg、妊婦は1.5〜3mgが必要です。血液1ml中には約0.5mgの鉄が含まれています。胃潰瘍などによる慢性出血や子宮筋腫なども鉄分不足の原因となります。 |
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■鉄分は吸収されにくい |
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食品中の鉄分は10%しか体内に吸収されません。したがって、食品中の鉄分量は1日に男性で10mg
、女性で12mg以上が必要です。 |
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●日常生活の注意
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貧血は特に食生活と関連が深い病気です。顔色が悪い、疲れやすいなどの自覚症状があったら、まず食生活の見直しを行いましょう。 |
■貧血予防のための食生活 |
鉄を多く含む食品 |
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鉄分を多く含む食品を中心に選びましょう。
貧血の予防には鉄分をとるのが一番です。鉄分は植物性食品(非ヘム鉄)では、濃緑色をした色の濃い野菜に多く含まれます。
しかし肉類に多く含まれる動物性食品(ヘム鉄)の方が吸収率が高くより効果的です。 |
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■間食を控え、1日3食を規則正しく食べる |
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食事回数が少ないと、鉄分をはじめ体に必要な栄養素を十分にとれません。またフアーストフードやスナック菓子などの間食をすると食生活のリズムが乱れてしまいます。食事はよくかんでゆっくり食べましょう。胃酸の分泌が高まり、鉄分の吸収がよくなります。 |
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■加工食品、インスタント食品は控える |
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食品添加物として加工食品やインスタント食品に多く含まれるリンをとりすぎると、体内で鉄分をうまく利用できなくなるので注意しましょう。 |
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■酸味、香辛料などを利用する |
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貧血になると食欲が落ちます。料理に酸味や香辛料、香味野菜などを組み入れ、食欲を促しましょう。
これらは胃酸の分泌を高め、鉄分の吸収をよくする効果もあります。
食欲増進としてはこしょう、しょうが、ねぎ、山根、唐辛子などが用いられます。 |
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■鉄分を多く含む食品 |
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鉄分を多<含む食品を表に示しました。
女性は鉄欠乏性貧血になりやすいので、貧血ぎみの人は特に意識して食べるようにしましょう。 |
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用 量 |
鉄含有量 |
豚レバー |
60g |
7.8mg |
鶏レバー |
60g |
5.4mg |
牡蠣 |
250g |
4.4mg |
しじみ |
80g |
4.2mg |
ほしひじき |
5g |
2.8mg |
豆乳 |
200g |
2,4mg |
こまつな |
70g |
2.0mg |
まぐろ赤身 |
100g |
2.0mg |
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知って得する豆知識 |
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鉄鍋や鉄瓶を利用しよう |
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鉄分の多い食品のレバーやほうれん草が苦手という人は少なくありません。
そんな人は鉄鍋や鉄瓶を利用してみましょう。これらを使うと料理に鉄分が溶け出します。
シチューや煮物など加熱時間が長く水分の多い料理や、酢やケチャップなど酸性の調味料を使うと、
鉄分はさらにたくさん溶け出します。調理器具の工夫でたくさんの鉄分がとれるのです。 |
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こんなときは、すぐに病院で検査を! |
■要注意の症状
顔色が悪い・だるさが続く・早足で歩くと動悸がひどい・爪の色が白くて変形している・内まぶたの
色が他の人より白い。
■深刻な病気の可能性
便が黒いか、あるいは血が混ざる・月経不順が続く。
※子供が異常に氷を食べたがる場合は、鉄欠乏性貧血の可能性がありますので、病院で
相談してみてください。 |
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■鉄欠乏性貧血の治療 |
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爪の色が白くて変形しているときは要注意 |
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鉄欠乏性貧血の治療は鉄剤の内服が一般的です。
鉄剤を飲むと便の色が黒くなりますが心配ありません。
※鉄剤は、体内の鉄分の貯蔵が十分になるまで、貧血改善後も最低3ヵ月は内服を続ける必要があります。
※鉄剤は、健胃薬(非吸収性制酸薬)などと一緒に飲むと鉄分の吸収が妨げられます。 |
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■鉄分の吸収を助ける栄養素は? |
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たんぱく質やビタミンCは鉄分の吸収を助けます。また銅などのミネラルも造血作用があります。
食品やサプリメントなどでこれらの栄養素をバランスよくとりましょう。 |
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■セルフメディケーション
クイズ 解答 |
Q1:YES Q2:NO(10%。また、女性の約半数は潜在的な鉄欠乏状態にあるといわれています)
Q3:YES Q4:NO(肉類に多く含まれるヘム鉄は、野菜に含まれる非ヘム鉄よりよく吸収されます)
Q5:YES Q6:YES Q7:YES Q8:NO Q9:NO Q10:NO
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